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プログラミング言語の対訳集は作れるか?

株式会社クローバーフィールドの経営理念
著者:高木信尚
公開日:2016/01/15
最終更新日:2017/12/27
カテゴリー:雑記

こんにちは、高木です。

以前、とある筋から、「プログラミング言語の対訳集を作れませんか?」というお話をいただいたことがあります。
手続き型言語に限れば、シンタックスの対訳表のようなものは比較的簡単に作れそうです。
ただ、本格的な開発にも使えるようなものとなると、かなり厳しい気がしています。

.NETプログラミングの解説では、C#とVisual Basicのコードを併記しているようなケースをよく見かけます。
同じ.NET言語ですので、両者の違いはシンタックスだけだといえなくもないでしょう。

ただ、現実にはそう甘くありませんよね?

プログラミング言語が異なれば、多くの場合、開発対象の分野がかなり異なります。
先ほどのC#とVisual Basicでは、分野は類似点も多いかもしれません。
そうはいっても、C#とVisual Basicでは、それを扱うプログラマーの性質がかなり異なりますし、その結果、それぞれ独自の文化を形成しているように思います。

「プログラミング言語の対訳集を作れませんか?」というお話をいただいたとき、次のような提案を受けました。
旅行者向けで、例えば、日本語、英語、フランス語、ドイツ語といった言語での対訳集がありますが、そのようなものを作りたいと。

会話のための対訳表でも、日常会話やせいぜい旅行者に必要な会話程度ならともかく、本格的な運用になるとそう簡単ではありません。

自然言語の場合、プログラミング言語以上に長い歴史と奥深い文化に裏打ちされています。
それぞれの言語を行う人たちは、民族も宗教も異なるため、思考パターン、行動パターン、価値観がかなり違うのです。

文法や語彙が比較的近いロマンス語派、すなわちラテン語を起源とするイタリア語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語、ルーマニア語の場合でも、表面的には似ていても歴史的・文化的背景はかなり異なります。

典型的なのは、長い間イスラム勢力の支配を受けたイベリア半島の言語(スペイン語とポルトガル語)と、ツール・ポワチエ間の戦いでイスラム勢力を破り侵入を阻止したガリア地方の言語(フランス語)では大きな違いがあるのです。

ここまで書いたような反論を行うことで、私はいただいたお話を断りました。

入門者レベルの対訳集なら作れないこともないので、引き受けてもよかったのかもしれません。
けれども、入門者ならなおのこと、プログラミング言語をつまみ食いすべきではありません。
何でもいいので、しっかりとひとつの言語を究めて、その上で裾野を広げていくほうがよいのではないかと私は考えています。

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