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反面教師となる採用情報

著者:高木信尚
公開日:2017/10/26
最終更新日:2018/06/21
カテゴリー:雑記

高木です。こんばんは。

最近はアベノミクスの成果なのか、求人倍率が上がったこともあって、新しく社員を採用するのが難しくなってきました。
弊社のような小さな会社の場合、求人を出してもなかなか応募がありませんし、応募があっても採用に至るかといえば、そこにも大きなハードルがあります。

同じような規模の同業他社も採用に関しては苦労しているようで、各社ともいろいろ工夫をしているようです。
弊社では、そんな各社の工夫を参考にしています。
よいところは見倣い、悪いところは反面教師にしていくべきですね。

さて、そうした背景のもと、ある会社の採用活動のやり方が目に留まりました。

その会社のウェブサイト上では案件情報を公開しています。
実質的にSES専業の会社のようですので、SESの案件情報です。
多くは、上位会社から回ってきた案件情報を機械的に処理して登録しているのでしょう。

パートナー向けの情報かと思いきや、社員を採用するための情報でした。
案件ごとに月給の目安が記載されていますので、契約社員を想定しているのでしょうか?

詳しい情報を見ていくと、面白い記述を見つけることができます。
案件情報には、商流制限や年齢制限の記述がそのまま記載されているものがあるのです。
たとえば、「貴社1次BPまで」とか「40代以下の方」とかです。

商流制限を社員の採用情報に記載するのもどうかと思いますが、いかにもブローカー業らしいなと感じました。
それより問題なのは年齢制限のほうです。

いくつかの例外はありますが、現在の法律では、求人に際して年齢制限をつけることはご法度です。
具体的には、雇用対策法第十条がそれに該当するようです。
厚生労働省でも、「募集・採用における年齢制限禁止について」というウェブページを設けて注意を喚起しています。

手間を惜しんで案件情報を機械的にそのまま公開してしまうことにも問題がありますが、それ以前にこうした手法自体に無理があると思うのです。
なぜなら、前述のように募集・採用で年齢制限が禁止されていますので、募集時に形だけ年齢不問にしても、年齢を理由に不採用にするのはルール違反だからです。

仮に、ある案件に対して応募があったとしましょう。
その案件は年齢制限があるものなら、公開している情報ではその旨を伏せていたとも、結局は年齢を理由に不採用にしたり、別の案件を提案したりすることになるでしょう。
これは典型的なブラック求人そのものの姿です。

現実には、そうした不正が明るみに出て、何らかのお咎めを受ける可能性は低いかもしれません。
しかし、「バレなければいい」というのは、いかにも遵法意識の低い会社が考えることで、採用活動以外でもさまざまな不正を行っていると考えたほうがいいでしょうね。

そういえば、その会社の(案件別ではない)採用情報には、ついこの間まで年齢制限が明記されていました。
誰かから指摘を受けたのか、現在は記載していないようですが。
まあ、採用時に年齢制限を課すつもりだと思うので、ファールであることには変わりないと思います。

今回はざっと目を通しただけなので発見していませんが、おそらくは外国人不可の案件情報もそのまま掲載されている可能性が高いと思います。
国籍で就職差別をするのもご法度ですね。

今回取り上げた会社は派手に採用活動を行っているようで、毎週のようにハローワークにも求人を出しています。
ハローワークの求人は、受理された日の翌々月末が有効期限ですので、最長3か月ということになります。
3か月あれば、大体12~13週あるわけで、それだけの求人情報が並行して掲載されることになります。

ひとつの求人での募集人数が1名だったとしても、単純計算で12~13名を同時に募集している計算になります。
もし応募があれば、本当にそれだけの採用をする意思があるのでしょうか?
空求人とは違うと思いますが、この辺りもブラック臭が漂っています。

今回、このような記事を書いたのは、何も他社をつるし上げることが目的ではありません。
「人の振り見て我が振り直せ」ということわざ通り、反面教師の存在はありがたいものです。

人間のやることですから、弊社も含めて、うっかりファールをやってしまうことはあります。
そういうとき、こうした反面教師がいれば、その都度自分たちも改善することができるというものです。

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