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君のブログに恋をして〜ボンクラ営業マンの嘆き編

著者:馬詰道代
公開日:2018/02/17
最終更新日:2018/02/17
カテゴリー:フィクション

かるてるのボンクラ営業マンは3人兄弟の末っ子である。
6つ上の兄は地元の公立高校トップ校に合格し、一浪したものの東京の私大に進んだ。
その後、職を変えながらも確実に自分の世界を築いている。
今は起業家として世界を股にかけて活躍している。

ボンクラ営業マンは高校受験を失敗し、大学受験も適当に色をつけて終わらせた。
生まれつき、兄とは頭の出来が違うのだ。
6つも離れていると、学校で兄と比べられることもなく、両親には末っ子ゆえ、甘やかされて育てられた。
人の顔色を見る要領だけは身につけた。
両親からは大して期待されることもなかったため、気楽な学生時代を経て、社会人になったのだ。

今の会社の居心地はそこそこ良かった。
代表や取締役とは20ほども年の開きがあった。
日中、代表は技術者として現場に出ている。
会社の管理部分を担っている取締役も用事があるときに会社に顔を見せるだけである。
ボンクラ営業マンはSES営業として、自社の社員技術者が参画できる案件を探すのに注力をすればよかった。
代表が参画している案件に社員を放り込むこともあった。

前の会社ではパートナー営業がまったくできず、散々の体たらくであった。
退職勧奨をされた、あの屈辱は忘れられない。

かるてるの代表は長らく個人事業主の技術者だった。
古くからの知り合いと2人で作った会社。
そこに迎え入れたのがボンクラ営業マンである。
代表は技術者という点で、営業についてヤイヤイ言うこともなかった。
社員を採用しその営業をすれば、営業としての給与分は十分に賄える。

ボンクラ営業マンはわざわざ、苦手なパートナー営業に精を出す必要もなかった。
週に何度かハローワークに足を運んだ。
求人票を出し、応募があれば採用面接をする。
その合間に営業をすれば格好はついた。
会社のWebサイトの構築運営も自ら会社に掛け合って自分の仕事にした。
年齢柄、代表も取締役もWebサイトには疎かった。
名刺の印刷もボンクラ営業マンが考えた。
いかにも素人っぽい会社ロゴを使って名刺のデザインもした。
名刺屋さんアプリを使って、1シートで10枚の名刺を印刷しては、手でちぎって名刺入れに収めた。
それで十分なのだ。
町の印刷屋さんで100枚入りの名刺を注文しても持て余すだけである。
そんなゆるい営業しかしていない。

あの男がこの会社に入社してきたら、自分の居場所がなくなるかもしれない。
ボンクラ営業マンの心の奥底から小さな嘆きが聞こえてきた。

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