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短い文章を書く:猫でもできるWebライティング09

株式会社クローバーフィールドの経営理念
著者:YOSHIDA Takayuki
公開日:2018/02/17
最終更新日:2018/02/17
カテゴリー:技術情報

「文章の書き方」についての本では、文章は短い方が良い、と説明しているものが多いです。長い文章は構造が複雑になり、わかりにくい文章になることがあるからです。「短い文章」とは、どれくらいの長さを目安にすると良いのでしょうか。

日本語には、文章の後半になるまで筆者の言いたいことがわからない、という特性があります。次の文章をみてください。

「現在の株価などの経済指標や、外交の状況、前回の地方選挙の結果などを総合して考えると、現政権への高評価は正当なものということができます」

「現在の株価などの経済指標や、外交の状況、前回の地方選挙の結果などを総合して考えると、現政権への高評価は正当なものということができません」

この文章では、最後の二〜三文字を読むまでは筆者の考えがわかりません。加えて、途中の文章から得られる情報の判断が読者に委ねられているのもそれを助長しています。例文では、「株価などの経済指標」「外交の状況」「前回の地方選挙の結果」について、良いと思っているのか、あるいは悪いと思っているのかがそれぞれ示されていません。

読者は長い文章が苦手です。長い文章が苦手というよりは「構造がわかりにくい文章」が苦手なのです。構造がわかりにくい文章を回避するためには、文章を短くして構造を単純にするのが一番の近道です。「一文一意」という言葉があります。構造が単純な文章を意識すると、自然と「一文一意」になるので試してみてください。

長い文章を書こうとすると、前後をうまくつなぐために「接続助詞」の登場頻度が高くなります。接続助詞の詳しい説明はここでは省きますが、書いた文章が長すぎるかな、と思った場合は接続助詞をみつけて、文章が区切れるかどうかを考えてみましょう。接続助詞の代わりに接続詞を使って言い換えると楽ですが、接続詞の多用は同じように文章構造がややこしくなる原因ですので注意が必要です。

また、読点が多いのも長い文章にみられる特徴です。これは、接続助詞のかわりに読点を使っている場合があるからです。一つの文章中に読点が3つ、4つと使われている時点で「一文一意」になっていない可能性があります。こんなときは文章の分割を検討しましょう。

以上のことを踏まえて、例文を改善してみます。

「現在の株価などの経済指標は好調です。外交の状況も順調で、前回の地方選挙の結果も上々でした。これらを総合して考えると、現政権への高評価は正当なものということができます。」

「現在の株価などの経済指標は最悪です。外交の状況も悪く、前回の地方選挙の結果も散々でした。これらを総合して考えると、現政権への高評価は正当なものということができません。」

一文の長さを短くしたことに加えて、各文章に情報を追加しています。一文一意はそれほど難しくないので、文章を書くときにすこしだけ意識すると良いでしょう。

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