君のブログに恋をして〜浅はかな男たち編

男はあくまでかるてるの口座を借りているというスタイルで営業をしていた。
本業の会社に席を置き、部下を持たせてもらえなくなったとはいえ、責任者としての給与は下げられることなくキチンと支給されている。
営業経費の不正、パワハラ、セクハラと散々の体たらくの男に寛大すぎる会社である。
そんな会社を男は舐めていた。
かるてるの名刺を使い、堂々と営業をしている。
また、転職したわけでもなく、かるてるの営業をする男を支援するSIer会社や同業のSES営業マンたち。
この業界を織り成す営業マンたちの澱ん資質がそこにあった。

男は本業の会社で作っているのと同じようなスタイルの売上表を作った。
かるてるの営業分の売上一覧である。
会社から貸与されているPCでかるてるの売上一覧を作成していたのである。
会社を舐めている男は誰にもバレないと思っていた。

かるてるの営業マンとのやりとりはLINEである。
案件情報のみならず、技術者の経歴書もLINEでやりとりをしている。
男と同様かるてるのボンクラ営業マンも危機管理への意識が低いのである。
そのLINEで男はドヤ顔でボンクラ営業マンにこう告げた。

「売上一覧を作ってみた」

「売上一覧の作成をお願いしようと思っていたところ。さすがですね」

ボンクラ営業マンは心にもない言葉を吐いた。
気の小さなボンクラ営業マンは、どこかでこの男から離れよう、この動きだした船から降りようと思い始めていた。

男はその売上一覧をDropboxに保存した。
かるてるのボンクラ営業マンが管理している、かるてるのDropboxとの共有フォルダにその売上一覧を置いた。
男はスマートフォンにDropboxのアプリを落とした。
スマートフォンならいつでもDropboxにアクセスし、売上一覧を更新することができる。
男はますますかるてるの営業に励むようになっていた。
かるてるの営業分を受け取るために、新しく口座も開設した。
あの鬼嫁には内緒の口座である。
かるてるへの請求書および請求明細書をDropboxで管理するようにした。

男がDropboxにアクセスするのは、会社から貸与されているPCでありスマートフォンである。
スマートフォンでアクセスするDropboxのアプリにはパスワード設定もしていなかった。
面倒くさがりの男はアプリのアイコンをクリックすれば、簡単に売上一覧にアクセスできるままにしていた。
この危機管理能力のなさがのちに自分の首を絞めることになろうとは、浅はかな男にはそんな考えは及ばなかった。

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