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デザインの練習(エレベーターのボタン1):猫でもできるグラフィックデザイン24

株式会社クローバーフィールドの経営理念
著者:YOSHIDA Takayuki
公開日:2018/04/10
最終更新日:2018/04/25
カテゴリー:技術情報
タグ:

今回からは「デザインの練習」と銘打って、生活の中で気がついたデザインの課題や、課題を解決したデザインについて取り上げ、自分なりに考えてみようと思います。スマートに鮮やかな問題解決ができる場合もあれば、時間をかけてひねり出したにもかかわらず全然ダメな結果になる場合もあると思います。

今回のテーマは「エレベーターのボタン」です。デザインの例題としては定番中の定番で、クイズとして人に尋ねると結構真剣に考えてくれますし、でてくる答えも面白いものが多いので、良い課題なのではないでしょうか。

まずはエレベーターの状況や前提を考えてみます。

・エレベーターは不特定多数の方が使う道具である
・「開」「閉」ボタンは漢字が分かる人にしか伝わらない
・矢印の開閉ボタンは間違えやすい
・操作の取り消しがしづらい
・階数は建物によって異なる
・どの階数ボタンが押されているのかを示したい
・車椅子でも使いやすく
・緊急連絡ボタンはわかりやすく、しかし間違って押さないように
・上昇/下降/メンテナンス/故障/地震などの状況を知らせたい

などを思いつきました。それぞれ考えていきましょう。

まず、「エレベーターは不特定多数の方が使う道具である」について考えます。もちろん場所にもよりますが、エレベーターは駅やビルなど非常に多くの方が使う場所に設置されます。また、利用者も子どもから老人まで様々で、公共施設であれば外国人の利用も多いはずです。ここでは「年齢や国籍を問わず使い方がわかる」ことや「1日に何千回とボタンが押されても壊れにくい」などの要件が見えてきます。

「開」「閉」ボタンは、漢字がわかる人以外には全く意味がわかりません。それどころか、漢字が分かる人でも「ぱっとみただけではどちらかわからない」2つの漢字なので、決して良い表示だとは言えないでしょう。

これを少しでも軽減すべく、開閉ボタンに色の情報を加えていることもあります。多くは「開」には緑が、「閉」には赤が割り当てられています。エレベーター内にいる人にとっては、信号の「青は進め」「赤は止まれ」とほぼ同じ文脈なので、わかりやすくはなっています。

漢字を避けるべく、矢印を使ったボタンも沢山採用されています。機種依存文字での表現なので恐縮ですが「◀|▶(そっぽを向いた三角形2つとバーティカルライン)」が開く、と「▶|◀(向かい合わせた三角形2つとバーティカルライン)」が閉じる、です。これならば、と思うのですが、急いでいるときなど間違いやすいことは誰しも経験があるはずです。こちらも色を組みあわせたり、「開」の方のボタンサイズを変えるなどの工夫がなされています。

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