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デザインの練習(エレベーターのボタン3):猫でもできるグラフィックデザイン26

株式会社クローバーフィールドの経営理念
著者:YOSHIDA Takayuki
公開日:2018/04/13
最終更新日:2018/04/25
カテゴリー:技術情報
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引き続き、エレベーターのボタンについての考察です。前回は高層になればなるほど増える「階数を指定するボタン」を、パネルにうまく納める方法やわかりやすくする方法を考えていました。

エレベーターの操作キャンセルボタンについては触れましたが、エレベーターにはトラブルや地震などの際に外部と連絡を取るための「緊急連絡ボタン」も必要です。それでなくても狭いパネルに、さらに緊急連絡ボタンが必要であるというのはなかなか厳しい要求です。キャンセルボタンは無くても、利用者が不便を我慢すればよいだけですが、緊急連絡ボタンは命にかかわることもありますので、搭載しないという選択肢はありません。

エレベーターだけでなく、「緊急」のためのボタンは「いざという時にわかりやすい/押しやすい」ことと「緊急時以外に間違って押してしまわない」ことを両立しなければならないので、デザイン力が問われるポイントです。

緊急ボタンは「わかりやすい」「押しやすい」が両立することではじめて要件を満たします。逆に言うと、どちらかの条件を満たさないようにする、つまり「わかりにくい」あるいは「押しにくい」ようにすれば、「間違って押してしまう」可能性を減らすことができます。もちろん「わかりにくい非常ボタン」では問題がありそうですので、ここでは「押しにくい」デザインをするのが良さそうです。

では「押しにくいデザイン」とはどういうものでしょうか。エレベーター以外の緊急ボタンでは、次のようなものが採用されています。たとえば、「透明なプラスチックの蓋」がある場合です。これを破壊したり、押し破ったりしない限り、ボタンを押すことはできません。一方、透明ではなく、単純に蓋をしているものもあります。蓋を外したり持ち上げたり、あるいはずらしたりしなければ、ボタンを押すことができません。また、「押すのに力が必要なボタン」もあります。他のボタンの何倍も強い力で押さなければいけない、抵抗感のあるボタンです。さらに、「ボタンを押す」とは異なりますが、緊急連絡の手段として受話器を設置している場合もあります。受話器を持ち上げると、自動で外部に接続される形です。もちろん、これらの手法をいくつか組みあわせているものもあります。

以上のように、普通のボタンを異なる見た目や操作にすることで、「押しにくい」デザインをしていることがわかりました。これであれば同じパネル状に並べていても問題が起こる頻度は少なそうです。

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