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君のブログに恋をして〜VAIOが欲しい編

著者:馬詰道代
公開日:2018/04/18
最終更新日:2018/04/18
カテゴリー:フィクション

「ちぇっ!」

男は舌打ちをした。
男は思うようにことが運ばなくなると、舌打ちをする癖がある。
育ちの悪さが垣間見える一瞬である。

男は会社でノートPCを使うとき、28インチの大きなモニターに繋いでいた。
その大きなモニターには問題なく表示されるのに、本体のノートPCの液晶画面がおかしい。
接続が悪いのか、映ったり映らなかったりする。
こんな状態では、外に持ち出して作業はできない。
何かにつけ、かるてるに出向き、そこで仕事をしている男にとっては一大事である。

男は会社に新しいPCの購入を打診した。
しかし、経理を預かる事務員に却下された。
それはそうである。
営業経費と称して、私欲を満たすための呑み食いに散財して、なおかつ、この期に及んで新しいPCを要求してくる、男の図太さ。

(大して営業成績も上がっているわけでもなく、どこにそんなお金があるねん)

事務員は余っているノートPCを使うことを提案した。

「持ち運ぶのに重すぎる」
と男は不服そうに言い放った。
「PCを持ち運ぶ必要があるのですか?」
「経歴書を見たり、エクセルを触ったりすることがある」
「エクセルはスマホでできるやないですか」
「スマホは小さすぎる」

できる男を気取っている男は、本当はLet’s noteを持って街を歩くのを夢見ていた。
しかし、Let’s noteが高価すぎることはわかっていた。
VAIOなら許容範囲だと勝手な算段をし、見積もりを取っていた。
それを会社に打診したが、経費を預かっている事務員が断固としてそれを認めなかったのだ。
余っているノートPCを使うか、修理に出すか、この二択を迫った。
男は仕方なく、修理に出すことにした。

LINEでかるてるのボンクラ営業マンに愚痴を入れた。
「ノートPCが壊れたのに新しいものを買ってもらえず、修理に出せと言われた」
「SES営業に必須のノートPCなのに。仕事の必要なこともわからない事務員、どうしょうもないですね」
と同調した。

自宅のPCはあくまで家のPC。
男が自由に使えるものではない。
まして、YouTubeで欅坂46を見たりなどできない。
会社貸与のPCは俺のPCという男の甘い認識が、修理中のPCには詰まっている。
修理から戻ってくるのをいまか、いまかと心待ちにした。
1週間ほどして手元に帰ってきた。
中のデーターの状態を確かめた。
問題はない。
液晶の、いわゆるノートPCの蓋になる部分のみの交換で済んだのだ。
男は胸を撫でおろした。

男はかるてるに雇われるときには、VAIOを要求しようと決めた。

YouTube版”君のブログに恋をして”もお楽しみください)

*この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

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