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君のブログに恋をして〜雇用契約書をめぐる攻防戦編

著者:馬詰道代
公開日:2018/04/28
最終更新日:2018/04/28
カテゴリー:フィクション

かるてるの代表と男との面談の数日後、代表はボンクラ営業マンに男の雇用契約書を渡した。
先にメールで提示するように指示をだした。

自分がかるてるに入社した2年前、最初の2、3ヶ月は10万円だった。
男に支払う額に、ボンクラ営業マンはなんとも言えない気持ちになった。
男に送る雇用契約書は念のためロックをし、メールで送った。
そのパスワードはLINEで知らせた。
ボンクラ営業マンと男のLINEトーク画面でさんざんあげつらっている他社の営業マンの苗字、そのアルファベットをパスワードにした。

ボンクラ営業マンは得意げに
「堅牢なセキュリティ」
とトーク画面に記した。

「完璧です。家に帰ってからみます」
早く見たい気持ちを抑えて、男は返信した。

家に帰った男はさっそく雇用契約書を妻にみせたのだ。
まだ、正式には会社に退職の意思表示をしていない。
その状況で、すでに次の職場を決めている。
いや、ぜひともと誘われたのだ。
妻にドヤ顔で見せた雇用契約書である。

喜んでくれるかと思ったら、妻の口から出たのは不服だった。
何にしろ男がすることには、いちいち文句をつけないと気がすまないのである。

男はボンクラ営業マンにLINEでそのことを愚痴った。

「給与が下がる規定や出向や転勤で勤務時間が変わることに文句をつけられた」
「えっ?」
「雇用契約書より就業規則でどないでもなると言うのに。嫌になる」
「嫁がやいやい言うから作ったまでであって、入社時期も確定しない人に普通は出すものではありませんよ」
「その通りです」
「こんなことで何度も代表を動かすのは、心証に影響しますよ」

年下のボンクラ営業マンに言われて、男は少しイラっとしたが、トーク画面ではそれを押し隠した。
ボンクラ営業マンも少し言い過ぎたかと思い、
「お互い嫁には苦労させられる」
と締めくくったのだ。

ボンクラ営業マンは胸のモヤモヤを持て余した。
こうして、この男の思惑通りにコトが運ぶのがシャクに触った。
その気持ちが強い口調のコメントになってしまったのだ。
かるてるでの自分の存在価値の危うさをひしと感じた。
「こんな小さな会社に経費がかかる営業マンが2人もいるものか」
ボンクラ営業マンは小さく吐いた。

*この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

君のブログに恋をして〜プロローグ編からお読みください。

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