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君のブログに恋をして〜浅はかな男の引き抜き行為編

著者:馬詰道代
公開日:2018/05/01
最終更新日:2018/05/01
カテゴリー:フィクション

もう後戻りはできない。
男はかるてるのボンクラ営業マンが提示した売上目標には内心不服だった。
が、すでにコマは進んでいる。
今さら、もとには戻れない。
ボンクラ営業マンが提示した、パートナー営業で結果を出す、今はこれしか進む道はない。

今までの男の言動および営業成績に見合わない給与に事務員の堪忍袋の緒は切れていた。
会社にとって男の存在価値のなさを代表に訴えていた。

男はやっと会社に退職の意思表示をした。
引き止められるかと思っていたが、すんなりと受け入れられたことがシャクに触った。
ボンクラ営業マンとのLINEでは、
「代表に引き止められた」
とホラを吹いた。
男は会社貸与のPCとスマートフォンでかるてるの営業をしていることの危うさを感じ始めていた。
「なるべく早く携帯電話を何とかしてほしい」
とボンクラ営業マンに携帯電話の購入を要求した。
パートナー営業でそれなりに成績をあげるなら、それ相応のノートPCも必要だと訴えた。

会社の中の雰囲気の悪さに男は焦っていた。
かるてるの営業の跡を早く消さないといけない。
そのくせ、自分の前途洋々に見える転職で気が大きくなった男は、事務員にこう告げた。
「トモゾー方舟会社もエグゼクティブ技術社もエイケンST社も俺がいなくなると(契約)なくなるから」

そう告げて、カバンを肩に下げて出ていった。

数分後、事務員はトイレに行こうとドアを開けたとき、そこにいた技術者と目が合った。
隣の開発室に来ている技術者である。
事務員もよく知っているその技術者のびっくりした顔の横に、数分前に出ていったはずの男がいた。

男はわざとらしく携帯電話に手を伸ばし、
「あっ、電話」
と話をする素振りをしながら、その場から離れていった。

事務員はずっと心の中に引っかかっていたものを明確に感じた。
男の裏切りを実感した。
男はこの技術者を引き抜こうとしていたのだ。
そう直感した。
実際にその会話を耳にしたわけではないが事務員はそう確信した。

豆鉄砲を食らったような眼差しの技術者と目があった。
その顔が忘れられない事務員はその技術者に確認を取った。
お金で動くような技術者ではない。
男に誘われたことを聞かされた。

その翌日、事務員が廊下に出たとき、別の技術者が珍しく、螺旋階段で電話をしている声が聞こえてきた。
不思議に思った。
トイレから戻ってきてもまだ話をしている。
長話である。
その技術者の声色に事務員は怒りを感じながら確信した。

事務員は代表に相談した。
また、無料の法律相談にも足を運んだ。
今までの何か腑に落ちない男の行動。
このまますんなりと退職させるわけにはいかない。

*この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

君のブログに恋をして〜プロローグ編からお読みください。

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