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君のブログに恋をして〜Xデー、それは終わりでなく始まり編

著者:馬詰道代
公開日:2018/05/02
最終更新日:2018/05/02
カテゴリー:フィクション

男の頭の中はかるてるに入社したあとのことでいっぱいだった。
入社する前にノートPCを買ってもいいという約束をかるてるの代表と取り交わした。
その新しいノートPCに、この5ヵ月余りのかるてるの営業記録を全て移してしまわなければならない。
会社から貸与されているノートPCとスマートフォンの中にある、かるてるの営業の記録だ。

男はVAIOの見積もりを取った。
予算オーバーではあったが、ボンクラ営業マンではあり得なかった、パートナー営業の稼働数に男の希望は叶えられた。
男は念願のVAIOに心が踊った。
次の土日に、全てのデーターをVAIOに移せばそれで完了だ。
あとは、この会社を退職したと同時に、半分以上は”案件が終わったテイ”で付け替えてやる。

男の行動に不信感をもっていた事務員は代表に相談をした。
それは無料法律相談で弁護士からアドバイスされたことだ。
「会社が貸与しているPCとスマートフォン、あの男から即刻取りあげましょう」

事務員からの相談を受け代表は男に面談の日程を調整するように伝えた。
翌日の金曜日の夕方を指定した。
「明日の夕方はすでに約束がある。来週にして欲しい」
と、男は断ってきた。

事務員は男の希望通り来週に延ばすこと、土日を挟むことに反対をした。
「土日を挟むのは危険です。嫌な予感がします。夕方が無理なら、明日の朝一にしましょう」
男からノートPCとスマートフォンを取りあげるのは明日しかないと譲らなかった。

結局、男との面談は翌金曜日の朝一となった。

——

真冬の冷たい空は青く澄み切っていた。
その日の朝は誰もが緊張していた。
いつもはどこに行っているのかわからない男も朝から出勤してきた。
先に会議室に入った代表、取締役、事務員。
その3人の前に男は座った。

「背任行為っていうのを知っているか?」
という代表の問いに男の顔色は変わった。
「会社が貸与しているノートPCとスマートフォンはこのあとすぐに会社に返してもらいます」
「えっ?プライベートのものが入っているので、それを消してから」
「会社のノートPCとスマートフォンに個人的なものを入れていることが間違いなので」
と男の言葉を遮った。
そして、男はしばらくの間、自宅待機を命じられて、その面談は終わった。

男は自分の机に戻り、ノートPCとスマートフォン、ユーザーパスワードを書いたメモを会社に返した。
帰る支度をして事務所を出て行く。
男は不敵な笑みを浮かべて事務所のドアをそっと閉めた。

男が出て行ったあと、代表は男が残していったノートPCの中を確かめた。

「えっ、これって・・」

代表のつぶやきが事務所に響いた。

*「君のブログに恋をして」シーズン1はこれで終了です。
シーズン2をご期待ください。

*この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

君のブログに恋をして〜プロローグ編からお読みください。

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