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アクションを促すデザイン(押す/引く1):猫でもできるグラフィックデザイン60

株式会社クローバーフィールドの経営理念
著者:YOSHIDA Takayuki
公開日:2018/05/19
最終更新日:2018/05/20
カテゴリー:技術情報
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今回から、アクションを促す具体的なデザインについて考えます。初回は、比較的例の多いと推量される「押す」を促すデザインについて考えようと思います。あわせて、押すとセットで扱われることの多い「引く」についてもみてみます。

押すもの、押せるものは身近にいろいろあります。テレビのリモコンやパソコンのキーボードのようなボタン類、壁付けされた電灯スイッチ、公共の場所などで使われる押すタイプの扉、またお弁当などに付属する小分けされた調味料のパッケージや、市販薬の錠剤のパッケージのように押して中身を取り出すものなどなどです。

リモコンなどのボタンは押すことで他のものの状態を変化させます。扉は押すことでそのものの状態を変化させます。錠剤などのパッケージは押して破壊します。押すことで得られる結果は様々ですが、これらのデザインの共通点は「立体的に盛り上がっていること」であることがわかります。

これを踏まえると、過去にエレベーターなどで多くみられた静電容量式スイッチや、水回りの家電製品などで使われた立体感のないフラットなスイッチは「押す」を促すデザインとしてはあまり好ましくありません。静電容量式スイッチは物理的な部品の減耗が少ないこと、フラットなスイッチは水の侵入を防ぐことができることという利点もありますが、現在は他の方法に置き換えられていることをみると、ユーザーからの評判はイマイチだったようです。

これらのスイッチに足りないのは「押せそうな感じ」と「押した感じ」です。前者は今回のコラムで取り上げようとしているテーマそのものですが、後者はいわゆるフィードバックの類です。押したか押していないかわからないボタンではユーザーは操作したかどうかがわからず、不安になってしまいます。結果として、深く押し込みすぎたり連打したりするなど、デメリットのほうが多そうです。

「押せそうな感じ」や「押した感じ」が足りない場合、ユーザーはそれを想定通りに使うことができません。しかし、そのハードルを乗り越えて使われているのが「スマホ」です。銀行のATMなどでタッチパネルに接した経験や、パソコンで画面上に置かれたバーチャルなボタンに触れた経験があったからこそ、多くのユーザーにスムーズに受け入れられたのでしょう。今では、小さな子どもでもスムーズにスマホを操作できるほど、画面上で「押す」操作は一般的になっています。この結果、画面上では「押せそうな感じ」が以前ほど求められなくなりました。フラットデザインと呼ばれる立体感のないデザインが一般的になったのも、この流れを汲んだものです。

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