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アクションを促すデザイン(差し込む1):猫でもできるグラフィックデザイン72

株式会社クローバーフィールドの経営理念
著者:YOSHIDA Takayuki
公開日:2018/06/03
最終更新日:2018/06/03
カテゴリー:技術情報
タグ:

アクションを促すデザインについて考察しています。今回は「差し込む」デザインについてです。能動的に差し込むことを促すようなデザインよりも、危険回避のために差し込むことをさせないデザインの工夫のほうがたくさん見られる印象があります。

普段の生活の中で「差し込む」アクションはどれくらいあるでしょうか。充電器をスマートフォンに、USBメモリをパソコンに、家電製品の電源プラグをコンセントに、家や車の鍵を扉に、切符やカードを自動改札の投入口に、鉛筆を鉛筆削り機に、などを思いつきました。

いずれも、穴にモノを差し込む、ということが共通点ですが、穴だからといって相互に互換性があるわけではなく、その穴専用のモノを差し込む仕様になっています。差し込むと似たアクションに「入れる」がありますが、こちらは差し込むに比べると汎用性がある場合が多いように思います。

検証のために「入れる」アクションの例を挙げてみると、ポケットに入れる、ポストに入れる、ガソリンを入れる、ゴミ箱に入れる、冷蔵庫に入れるなどです。確かに、入れるものの種類が「差し込む」ほど厳密ではなさそうです。

また、例としてあげた差し込む行為は、いずれも物事をスタートする際の行為であることも興味深いところです。差し込む行為は何かを利用する承認の用途で用いられることが多く、穴と差し込むモノとの一意性を使い、ユーザーを選別したり、組み合わせて使うモノを選別したりしているようです。逆に、物事の終わり際に差し込む例はほとんどないように思います。

穴の形で差し込むべきものを想像させる、というのはデザインによりアクションが促される良い例です。ただし、ここを厳密にしすぎるとユーザーの使い勝手が悪くなることはよく起こります。例えば、古い家電製品についている電源ケーブルは、本体との接続部分の形がそれぞれ異なるため、使用できるケーブルが限定されてしまいます。メーカーがそのケーブルの製造をやめてしまうと、本体は壊れていないにもかかわらずその製品を使うことができなくなってしまいます。

現在パソコンを中心にいろいろな場面で用いられている「USB(Universal Serial Bus)」は、「ユニバーサル(=一般的な/普遍的な)」の名前の通り、高い汎用性のある規格です。周辺機器との情報伝達だけでなく、電源供給などにも使われます。USBの仕様や使い勝手について、次回詳しくみてみます。

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