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それっぽいデザイン(新聞):猫でもできるグラフィックデザイン80

株式会社クローバーフィールドの経営理念
著者:YOSHIDA Takayuki
公開日:2018/06/14
最終更新日:2018/06/14
カテゴリー:技術情報
タグ:

「それっぽいデザイン」について考えています。手始めに「新聞っぽいデザイン」について考えてみましょう。インターネットが登場して以降、紙の新聞に触れる機会は少なくなりつつありますが、新聞を新聞たらしめるデザイン要素はどんなものでしょうか。

新聞は、たとえバラバラに千切れた状態であっても、新聞であると認識することができるはずです。どうやら、その紙の質と色とで判断しているのでしょう。新聞紙は古紙を再生利用する技術や仕組みが確立しており、リサイクルに協力的なユーザーが多いこともあり、古紙全体の半分以上が新聞紙である状況が続いています。

古紙の再生過程でうまく漂白しない限り、再生紙の色は黒色や灰色などの暗い色になってしまいますが、現在の技術ではかなり明るく仕上げることができるようになりました。とはいえ、以前の灰色の紙色と、繊維の多そうなイメージとが新聞紙の主なイメージとなっています。また、灰色だけでなく、長期間保管することで変色したセピア色も新聞らしさを演出してくれます。裁断した際の切り口も同様に、現在ではかなりなめらかになっていますが、ギザギザしたイメージが残ります。

現在の新聞では、カラーの写真もきれいに印刷できるので、新聞が白黒の印刷物である、というイメージも弱くなっています。しかし、それでも紙面の大半は白地に黒で印刷してあるので、白黒メインの配色は新聞の特徴と言っても良いでしょう。

新聞は「新」とついているだけあって、情報の早さがウリです。インターネットやテレビには叶いませんが、1日に1回以上発信しているスピードが自慢のメディアです。そのため「その新聞をいつ発行したのか」という情報が重要になります。表紙には大きく日付がプリントされ、各紙面の上部にも新聞名と同じぐらい大切な情報として扱われています。日付の有無は新聞っぽさに影響します。

新聞は大見出し、小見出し、本文の構造が明確になっているのも特徴です。白黒印刷時代の名残で、大見出しの背景には工夫をこらした模様が施されており、これも新聞らしい雰囲気を出す要素です。

日本の新聞では「縦書き」であることもポイントです。書籍でも縦書きのものはありますが、見出しや本文、図表や写真などが入り混じって複雑な構成になっているものは新聞しかありませんので、これも新聞っぽいデザインになるポイントのようです。

冒頭に書いたように、新聞の読者はどんどん少なくなっているので、「新聞っぽいデザイン」が通用するのもある一定の世代以上であり、その傾向はさらに強まっていくかもしれません。

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