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“IT事務員”という蔑称

著者:高木信尚
公開日:2018/09/27
最終更新日:2018/09/27
カテゴリー:雑記
タグ:

高木です。おはようございます。

最近、“IT事務員”という言葉をあちらこちらで見かけるようになりました。
これにちょっと違和感を覚えるので、今回はそのことについて書いておきたいと思います。

この言葉、どういう用途で使われているかというと、プログラミングとかは一切せずにExcelとかでドキュメントばかりやっている人を指すようです。
主に“エンジニア”との対比で用いられています。
他には、“エンジニア”は理系出身のプログラマーで、“IT事務員”は文系出身のSEのような対比もあるようです。

ただ、いずれにしても“IT事務員”という表現は“IT土方”と似たような蔑称ではないかと思います。
私はこういう蔑称が非常に嫌いです。

私が最初に勤めたメーカーでは、文系出身で総合職として入社した同期の何名かはコンピュータ室に配属されていました。
コンピュータ室は確か生産管理部の所属で、当然プログラミングをやっていたのだと思います。
今風でいえば社内SEといった位置づけだと思います。

彼らは理系出身で技術職として入社した私たちとはまったく別扱いで、技術職(=エンジニア)ではなく事務職でした。
字面だけでいえば、彼らは“IT事務員”だったんだと思います。

私が個人的に思っているのは、業務アプリケーションの開発に関わっている人たちの大多数は、エンジニアではなく事務職だということです。
なぜ、彼らをエンジニアとか技術者と呼ぶのか、今でも不思議でなりません。

しかし、それは事務職である彼らを蔑視しているのとは意味が違います。
これは単なる役割分担であり、職種の違いに過ぎません。
どちらが上とか下とかはありませんし、どちらも世の中には必要な仕事なのです。

当時から事務系の部署とは日頃から頻繁に交流があったので、お互いの役割を尊重しながら強調して仕事をするのは当然のことでした。
社内的な発言力の差というのは多少ありましたが、それと一方が他方を蔑むこととはわけが違います。

私は技術職として、アセンブリ言語やC言語でプログラミングしたり、ちょっとした回路設計をしたり、諸々の解析作業を行ったりすることはできましたが、おそらくコンピュータ室の仕事はできなかったと思います。
仮にコンピュータ室の仕事が簡単だったとしても、性格的なこともありますし、向いていなかったでしょうね。

自分にできないことができる人や、少なくとも自分より上手にできる人に対して敬意を払うのは当たり前のことです。
一般事務のような仕事も、私は非常に苦手というか、ほとんどできる気がしませんので、そういうのが得意な人は尊敬しています。

そういえば、クローバーフィールドの社内では、馬詰はプログラミングは一切しませんが、おそらくIT関係のスキルは一番高いと思います。
決してエンジニアではありませんが、非常に重要な仕事を担っていると思いますよ。

もともと“IT事務員”という言葉を使い出した人がどういう意図だったのかはわかりません。
もしかすると、実際の職種が異なるものに呼称を与えただけなのかもしれません。
それならいいのですが、蔑称として使っていると思われる人が多いのも事実だと思います。

最後に、私としては、システムプログラマーと業務アプリケーション開発者は明確に分離して欲しいとは思いますね。

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