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C++でC風ライブラリを作る(文字列長編)

著者:高木信尚
公開日:2019/05/26
最終更新日:2019/05/26
カテゴリー:技術情報

高木です。こんばんは。

深夜ですが、日曜日は終日出かける予定なので今のうちに投稿しておくことにします。
今回のテーマは文字列の長さです。

標準Cライブラリには文字列の長さを求める関数として、strlen関数とwcslen関数が用意されています。
また、標準C++ライブラリにはstd::basic_stringクラステンプレートのlengthおよびsizeメンバ関数、それからstd::char_traitsクラステンプレートのlengthメンバ関数も備わっています。

用途ごとに関数は用意されているのですが、関数名がいろいろで統一感がありません。
こういう記憶力に負荷をかける仕様は私にとっては辛いので、すべてを統一的に利用できるようにライブラリを設計したいと思います。

まずは一番基本となる文字型へのポインタを渡して文字列の長さ、すなわち先頭からナル文字までの距離を求める関数です。
これにはstd::char_traitsクラステンプレートのlengthメンバ関数を用いることにします。

ところで、char型とwchar_t型については、それぞれ専用の関数を用いる方が処理系が上手く最適化してくれているかもしれません。
念のため、それらの多重定義を行っておくことにしましょう。

ところでPOSIXにはstrnlen関数というのがあります。
範囲指定がまったくないままナル文字を探索するのは怖いので、こういう関数があるのでしょう。
事前に範囲が分かっているのであれば、探索範囲の上限を指定できたほうがいいでしょうね。

最後にstd::basic_stringを引数に取る場合も多重定義します。

これで一通り完成なのですが、ひとつだけ心残りがあります。
引数に配列を指定した場合、配列の要素数を自動的にナル文字の探索範囲にできなかったことです。
これについては次回にもう少し考えてみることにします。

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