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誹謗中傷って何?

著者:高木信尚
公開日:2017/11/27
最終更新日:2017/11/26
カテゴリー:雑記

高木です。こんばんは。

「誹謗中傷」という言葉はよく聞きます。
昔からある言葉ですが、インターネットが普及してからはより問題になることが増えたと思います。

このたび社内でも「誹謗中傷」が話題になったので、あらためて考えてみたいと思います。

まず、「誹謗中傷」とは何かですが、弊社がお世話になっている弁護士によると、簡単にいえば「悪口」のことだそうです。
ここで辞書的な意味を紹介してもいいのですが、どのみち抽象的な説明しか出てきません。

「悪口」というと、他人を悪く言うことですが、「悪く言う」とは具体的にはどういうことなのかが問題になってきます。

まず、「言う」についてですが、これは口頭で言うだけでなく、文章として表現することも、あるいは図や絵画で表現することなども含まれるかもしれませんね。

次に、「悪く」ですが、これは善悪の判断基準にもよりますが、悪いものを悪いというのは「悪く言う」に該当するのでしょうか?
たとえば、特定の事件を指して、「卑劣な犯罪者は決して許せない」という発言をした場合、これは犯罪者を悪く言ったことになるのでしょうか?
難しいところですね。

別の角度から見て見ましょう。

「世の中には芸能人のライブに行く人がいる」という発言をしたとしましょう。
これはさすがに誹謗中傷ではありませんね。

では、「毎週のように芸能人のライブに行く人がいる」と言った場合はどうでしょうか?
「毎週のように」という修飾語を付加しましたが、この発言は、対象となる人物を誹謗中傷しているわけではなく、単に状態を表現しているにすぎません。

もう一歩踏み込んで、「毎週のように芸能人のライブに行く人は気持ち悪い」とか言えば、これは誹謗中傷だと言われてもしかたありませんね。
もし仮に、そのように感じる人がいたとしてもしかたがありませんが、それをストレートに表現すればやはり誹謗中傷ということになるでしょう。

別の例を挙げましょう。

「BABYMETALのファンが並んでいた」と言った場合、それは単に状態を表しているだけです。
しかし、「BABYMETALの脂ぎったファンが並んでいた」と言った場合はどうでしょうか?
「脂ぎった」という修飾語は単なる状態を表しているにすぎませんが、それを不快に感じる人がいれば誹謗中傷ととられるかもしれません。

つまり、誹謗中傷に当たるかどうかは受け取る側の主観によるところが大きいのではないかと思います。

このように個人の主観によって不快と感じるかどうかが分かれるようなものを禁止するのは、言論や表現の自由を著しく侵害するのではないかと思います。
先ほどの「脂ぎった」にしても、夏場に長時間並んでいれば汗ばむのは当然で、それだけ熱のこもったファンであることを称賛した表現かもしれないのです。

せっかくですので、さらに別のケースについても考えてみましょう。

一般論として、「有給休暇を取得して出勤していないにも関わらず、自分の家族には出勤したと嘘をつき、その家族とのやり取りを根拠に残業代を請求するような従業員がいたとすれば許せない」という発言をしたとしましょう。
これはあくまでも一般論であり、誹謗中傷ではないと思うのですが、誹謗中傷だと考える人がいるのでしょうかねえ?
これだけ具体的に表現すれば、ピッタリ合致する人はそういないと思います。
それでも、たまたま心当たりがある人がいれば不快に感じるかもしれませんね。

あるいは、フィクションはどうでしょうか?
時代劇などでは、悪人の行いを主人公が厳しく糾弾するシーンが出てきますが、これは誹謗中傷でしょうか?
そして、劇中でそのような表現をすることは、現実世界に済む誰かに対する誹謗中傷といえるのでしょうか?

私は国語学者でもなければ法律家でもないので、この場で結論を出すことはできません。
もし答えを知っている方がいらっしゃいましたら、ぜひご教示ください。

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