良いデザインと悪いデザイン2:猫でもできるグラフィックデザイン05

引き続き、ランドセルの販促のためのデザインについて考えます。ランドセルのカタログデザインにおいて、ポップなデザインがありきたりであるならば、どのようなデザインをすればよいのでしょうか。ある調査では、ランドセルの7割近くはおじいちゃん、おばあちゃんが購入するそうです。また、ランドセルは子どもが持つ道具の中では高額な部類です。これらを踏まえると、ランドセルの本当の購入者=ターゲットは50代以上の高齢者である可能性がありそうです。またその金額にふさわしい高級感を与える演出がデザインに必要かもしれません。子どもがランドセルを背負ったイメージは必ず使うとは思いますが、大きめの文字で、ポップよりもシックな感じで演出しても良いでしょう。ターゲットをきちんと見定める必要がありそうです。

次はWebサイトについてです。サイトの公開日が伸び、予算がかさんでしまいました。一番まずかったのは公開タイミングが遅れ、ビジネスチャンスを逃したことです。たとえ予算が倍になっても、納期を守れていたのであればもう少しマシだったかもしれません。もちろん、予算が超えてしまったことも大きな失敗です。与えられた制限を守れないのであれば、それはデザインとはいえません。

次に、新商品の売上を伸ばせなかったデザインについてです。こちらは問題解決に失敗した例です。情報の提示の仕方には統一されたルールがあるべきですが、それを遵守することと、きちんと売上をあげること、どちらを重視すべきかは明らかでしょう。デザイン上で決められたルールを破ることで、誘目性が高まります。これを利用すれば、情報に強弱をつけることが可能です。

最後に、ポスターデザインの失敗についてです。ポスターとしてはかっこよいけれど、その役割を果たせなかったポスターはたくさんありそうです。これは「商業ベース」にのせるのを失敗した例でしょう。たしかに、ビジュアルのかっこよさと商品の生々しい説明とを共存させるのは難しいです。とはいえ、イメージだけのポスターを使用できるほどブランディングされている商品やサービスが世の中にどれだけあるでしょうか。また、見た人の印象にしっかりと残り、そのかっこよさだけでバズるほど出来の良いポスターもほとんどないはずです。下手にイメージに逃げることなく、商品の紹介をしっかりとすべきでしょう。

ここまで説明してきたデザインの失敗には共通点があります。それは、デザインのディレクションがきちんと行われていないことです。デザインを始める前、デザインしている最中、デザインが終わってからのいずれの段階でも、デザインとして必要な「問題解決」「ターゲットの確認」「制限を守る」などが満たされているかのチェックがなされなかったことが問題です。