良いデザインと悪いデザイン3:猫でもできるグラフィックデザイン06

デザインの良し悪しを見定める方法はいくつかあります。ここ2回のコラムではきちんと「デザイン」をしているかどうかについてを考えてきました。今回は狭義のデザイン、グラフィックデザインとして良いもの、悪いものについて考えてみましょう。
良いグラフィックデザインは、極論すると「見ていて心地よいデザイン」といえるでしょう。この「心地よさ」を先天的に生み出せる人がアーティストやデザイナーとして活躍しているのかもしれません。ただし、彼らの作るデザインを分析することで、意図的に心地よいデザインを作ることもできます。
まずは「比率」について考えてみましょう。美術やデザインで比率といえば、多くの方が「黄金比」を思い浮かべると思います。黄金比は自然の中で多く見られる比率であり、それゆえに過去の著名なアーティストも作品のなかで意識的に、あるいは無意識に取り入れている比率です。
黄金比は「1:1.618」、だいたいで言うと「5:8」の比率です。どちらかと言うとヨーロッパやアメリカで好まれる比率です。とはいえ私達の生活の中でもたくさんあふれている比率でもあります。たとえば名刺のサイズ(55×91mm)や、パソコンのディスプレイの解像度(1920×1200px)、新書のサイズ(105×172mm)などでみられます。黄金比は本当にいろいろなところで使われていますので、身の回りの道具を定規で計測してみてください。
黄金比は数学の世界でも美しいとされています。「フィボナッチ数列」は前2つの数字を加算した値を並べた物です。
フィボナッチ数列:1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89、144・・・
この数列において、隣接する2つの数字の比率は、数が大きくなるほど黄金比に近づいていきます。自然界で黄金比が多く見られるのも、この数列が関係あるのかもしれません。
比率でいうと「白銀比」も有名です。白銀比は「1:1.414」、正確に言うと「1:√2」の比率です。黄金比が西洋で好まれたのに対して、白銀比は日本やアジアで好まれる比率です。現在我々が使っている、紙の大きさをあらわすA版、B版は白銀比です。また、仏教建築では伽藍の配置や建具の縦横比などが白銀比となっているようです。
黄金比、白銀比と並んで大切なのが「正方形」です。要するに「1:1」の比率です。正方形が人から愛される比率であるかどうかは、現代のインスタグラムの流行をみれば火を見るより明らかでしょう。なお、正方形は黄金比や白銀比など他の比率をつくるベースにもなりえます。

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