良いデザインと悪いデザイン6:猫でもできるグラフィックデザイン09

引き続き「心地よいデザイン」について考えていきます。今回は「フラクタル」について取り上げます。フラクタルは日本語で言うと「自己相似性」です。パターンやシンメトリーに比べると、その概念を知っていなければ気が付きにくいデザインの特徴かもしれません。

フラクタルとは、「ある図形を拡大すると、その形と同じ形が現れる図形」のことをいいます。これまでに説明した「パターン」や「シンメトリー」の時は、例をあげるとわかりやすかったのですが、フラクタルではその形のどの部分がどのようにフラクタルなのかを文章で説明するのは難しそうです。試しに、いくつか挙げてみますので、頭のなかで形を想像してみてください。

フラクタルの例としてもっとも取り上げられることの多い「ロマネスコ」という野菜をご存知でしょうか。ロマネスコはカリフラワーの一種です。カリフラワーなどと同様、成熟する前のつぼみや茎の一部を食用とします。つぼみの塊がフラクタル形状をとります。植物ではフラクタルが比較的みつけやすく、樹木の枝分かれや葉の形などもフラクタルとなっていることもあります。

植物以外のフラクタルの例としてあげられやすいのが貝殻です。巻貝の先端部に注目した後、全体を俯瞰してみてみるとイメージがつかみやすいと思います。あるいは、稚貝の状態と、それが成長した後の成貝を比べてもよいかもしれません。植物、動物以外でもフラクタルの例はあります。われわれ人間の体においても、肺の構造や脳の構造、神経の構造などがフラクタルといっても良さそうです。

フラクタルは動植物以外でも存在します。雷の形や雲の形、雪の結晶の形、また水晶や鍾乳石の形などがそれに該当します。植物や動物のことを踏まえて考えると、「モノの形ができあがる時」にフラクタル構造を取りやすいようです。一方で、海岸の形や河川の形、山の形がフラクタルとなっていることがあるようです。これらは「モノの形がこわれる時」にもフラクタルになりやすいようです。

これらの自然で見られるフラクタル構造は、自然が意思を持って作っているわけではありません。生物学的に、あるいは物理学的に、さらには数学的にみて、有利だったり安定していたりすることが原因でフラクタル構造をとっていると推量します。そしてこのようなフラクタル図形が自然でたくさん見られているからこそ、我々がフラクタルを見た時に心地よさや安定感を感じるのではないでしょうか。

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