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良いデザインと悪いデザイン10:猫でもできるグラフィックデザイン13

株式会社クローバーフィールドの経営理念
著者:YOSHIDA Takayuki
公開日:2018/03/30
最終更新日:2018/03/30
カテゴリー:技術情報
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引き続き、「コントラスト」について考えます。前回紹介した「色」「大きさ」「文字」以外で、コントラストをつけられるデザインの手法についてみていきましょう。

形の違いでもコントラストをつくることができます。一番わかり易いのは「直線」と「曲線」の違いです。矩形と円との違いといってもいいかもしれません。円までいかなくとも、角丸の矩形でも同じ効果を得られます。直線と曲線の違いは無意識下でも認識しており、デザインの印象などに大きな影響を与えています。

次は「記号の有無」です。直感的には、記号の有無をコントラストの手法として論じてよいかどうかの判断に迷うことですが、間違いなくコントラストです。補足で使われる「米印(※)」が一番わかりやすい例です。記号の有無により、異なる情報群であることを視覚的に示すことができます。記号のありなしだけでなく、同じ記号を使うかどうかでも情報群の違いを示すことができます。HTMLの番号なしリスト(ul要素)がそれに相当します。逆に、同格の情報を並べるに時、違う記号をつけてしまうのはデザインとして悪手であることがわかります。

次は「質感」です。色や大きさなどが同じであっても、表面の質感(=テクスチャ)を変えることでコントラストを生み出すことができます。身近なところでは、ゆでたまごの殻を剥く前と後とでは大きさなどはほとんど変わりませんが違う物にみえるのが良い例です。人間は手で触れなくても、視覚で得た情報から質感を想像します。これを利用して違いを生み出し、コントラストが生まれます。

「ピント」もコントラストをつけることができるデザイン要素です。ピントがあっているか、あっていないかは、観測者と観測対象との距離がどれくらい離れているかによって代わります。被写界深度(ピントを合わせた部分を基準に、前後でピントが合っているように見える範囲)を浅く設定することで、ピントのあっている部分とあっていない部分を作り出し、結果としてピントのあっている部分に注目させることができます。人間の被写界深度はそれほど深くなありません。それ故に、ピントによるコントラストは人間にとって自然なことであり、情報の強弱をつけるうえで心地よく感じる手段のひとつです。

「複雑さ」の違いでもコントラストを作ることができます。画面や紙面の中で、要素をほとんど置かないエリアと、要素を詰め込んだエリアとを作ると、緩急のついた良いデザインになります。複雑さを作る方法はいろいろありますが、画面や紙面のことだけを考えると「余白」と言い換えることもできそうです。次回のコラムでも引き続き、コントラストのつくりかたについて考えます。

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