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点字とUnicode

著者:高木信尚
公開日:2015/11/30
最終更新日:2017/12/27
カテゴリー:雑記
タグ:

こんにちは、高木です。

今回は久しぶりに技術情報を書くことにします。
といっても、技術者にしか分からないような話ではありません。
ある程度ITのことを知っている方であれば、技術者でなくても理解できるはずです。

私は少し前まで仕事で点字に関わる機会が結構ありました。
そのとき知ったのですが、Unicodeは点字のためのコードが振られているのです。
今回はその話をすることにします。

まずはご存じない方のために、点字についての基本から入ることにします。
点字というのは、主に目が不自由な方が指で触れて読むことができるように、突起を組み合わせて文字を表現できるようにしたものです。
基本的には、縦3行横2列の6つの点(⠿)の組み合わせで文字を表現します。

この6つの点のうち、左上の3つの点(⠋)を使って母音を、右下の3つの点(⠴)を使って子音を表し、一部例外はありますが、基本的にそれらの組み合わせでカナ1文字を表現します。
また、句読点や括弧などの記号も表現できます。

具定例として、「クローバーフィールド」を点字で表現すると「⠩⠚⠒⠐⠥⠒⠢⠧⠒⠙⠐⠞」となります。濁点にも1マス使いますし、「フィ」のような特殊な標記は疑問符(⠢)+ヒ(⠧)のような表現を使っています。

さて、すでに気づいている方もいらっしゃるかもしれませんが、この記事では画像を使っているわけでもないのに点字を表示できています(古いブラウザーだと表示できないかも……)。
それができるのは、Unicodeが点字に対応しているからです。

UnicodeではU+2800からU+28FFの256文字が点字に相当します。
点字は6点で表現するものですから、26で64文字あれば足りるのですが、Unicodeでは点字を縦4行横2列で表現するようになっています。
結果、28=256文字が割り当てられているのです。

点字ピンディスプレイというPCと接続して画面上の文字を点字で出力するための装置は、1マスに8つの突起があるのが普通です。
通常は下端の2つの突起は使わず、上の6つの突起だけを使います。
では、下端の2つは何に使うかというと、カーソルに使うのです。

おそらくこのような理由からUnicodeも8つの点を表現できるようになっているものと思います。

あと、そんなに普及はしていないようなのですが、「漢点字」というものがあります。
漢点字では、8つの点をすべて使ったマスを1つ以上使って漢字を表現します。
ですので、漢点字を扱う場合にはUnicodeのように8つの点が必須になります。

点字ピンディスプレイに点字を出力する場合、私が知るかぎりデバイスドライバはUnicodeの点字を理解してくれません。
そのため、デバイスドライバに分かる形で、点字のパターンを送ってやらないといけません。

けれども、プログラムの中で扱うデータをUnicodeで持っておいて、出力するときに変換してやるといろいろ便利なことがあります。
一番便利なのは、Visual Studioとかのデバッガで、点字がそのままのイメージで表示されるということです。
単なる数値の羅列ではなく、最終的に点字ピンディスプレイが表示する点字そのままがデバッガ上で確認できるのは画期的なことです。

少し話は変わりますが、目が不自由な方の多くが点字ピンディスプレイを使ってPC上の文字を読んでいるかというと、決してそんなことはありません。
目が不自由なだけだと単機能障がいといって、自治体から助成では点字ピンディスプレイを入手できないことがほとんどのようです。
個人で購入するにしても、点字ピンディスプレイは何十万もしますので、そう簡単には購入できません。
ですから、目の不自由な方の多くは、スクリーンリーダーという読み上げソフトを使って、PC上の文字を音声化しています。

では、点字ピンディスプレイを使っているのはどういった方たちかというと、目も耳も不自由な方たちが中心になります。
ヘレン・ケラーさんを思い浮かべればイメージしやすいのではないかと思います。

ヘレン・ケラーさんの時代にはPCもインターネットもありませんでした。
しかし、現代はITを使って、そうした重篤な障がいがある方々でも比較的コミュニケーションが取りやすくなりました。
自分たちが関わっている分野が、多少なりともそうしたことに貢献できるというのは光栄なことです。

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