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新人を客先で育成してもらえるという幻想

株式会社クローバーフィールドの経営理念
著者:高木信尚
公開日:2017/05/22
最終更新日:2018/06/21
カテゴリー:雑記
タグ:

高木です。こんばんは。

今日は辛口、人によっては激辛の内容になることをあらかじめお断りしておきます。

この業界では、SESや派遣の形で、客先に常駐して仕事をする技術者が大多数を占めています。
その中でも、今回話題として取り上げるのは、未経験かそれに近い状態の新人を、いきなり客先に常駐させた場合です。

本来であれば、社内である程度の教育を行ってから実戦投入するのが筋というものです。
ところが、世のSES専業会社の多くは、営業とせいぜい事務だけが社内にいて、残りの社員は(新人も含めて)すべて客先に常駐させていたりします。
社内に残っている技術者がいても、仕事にあぶれて残っているだけだったりします。

こういう状況ですので、経営者も営業も考えることは同じです。
何とかして客先で新人を育ててもらって、一人前の技術者になってもらおうというわけです。

私が思うに、新人を育てるためには、突き詰めていけば次の3つが必要です。

  1. 機会を与える。
  2. 自主性を引き出す。
  3. 失敗を許容する。

程度の差はあれ、このうちのどれが欠けても新人の育成は困難だと思います。

さて、いきなり客先に常駐させられた新人にとって、これらの条件がそろうことが本当にあるでしょうか?

客先の担当者は、安い単価の要員を便利使いするために、「育てていきます」と耳障りのいいことを言う場合があります。
中には本気で育てていこうと考えている人もいるかもしれませんが、極めて稀だと思います。

仮に客先で育ててくれるとしても、携わっている業務に特化したスキルを向上させるだけで、どこにいっても通用する能力が身につくことなどまずありません。
また、先ほどの3つの条件にあてはめれば、満たすことができるのはせいぜい「1. 機会を与える」だけです。

自主性を引き出すも何も、自主性はあって当然であり、そうでなければ使えない人材なのですぐに契約終了になってしまうでしょう。
ささいな失敗ならともかく、大きな失敗をしても、やはり契約終了になってしまうでしょう。

これが現実です。

新人が客先の現場に常駐して、そこで一人前の技術者に育ててもらおうなどというのは、あまりにも虫がよすぎます。
そんなものは、単なる願望であり、幻想に過ぎません。

新人を育てていくには、やはり社内で上司や先輩の技術者といっしょに仕事ができる環境が不可欠です。
たとえ、普段は外部の現場に出ていても、マメに帰社して、小さくてもいいので社内でプロジェクトを進めることが必要なのです。

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