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コミュニケーション能力

株式会社クローバーフィールドの経営理念
著者:高木信尚
公開日:2017/06/09
最終更新日:2017/06/09
カテゴリー:雑記

高木です。おはようございます。

今年になってから、私のところにもSESの案件情報や技術者情報が回ってくるようになりました。
それらを眺めていて疑問に思ったことなどを、PCの画面に向かってツッコミを入れるだけではなく、ブログに書き留めるようにしています。

今回の話題は「コミュニケーション能力」です。

「コミュニケーション能力」という言葉は広く一般的に使われています。
ただ、実際には誤用も多く、自分にとって都合のいい人物は「コミュニケーション能力がある」、そうではない人物は「コミュニケーション能力がない」とレッテルを貼るケースも見受けられます。

技術者にとって、「コミュニケーション」といえば、真っ先に思い浮かべるのは「通信」です。
原始的な通信手段であるモールス符号(いわゆるトンツー)にしても、符号化の方法を厳密に定義していなければ意志の伝達は不可能です。

さらに、トンとツーで符号化された電文を送受信する方法も、発信者と受信者の間で合意が必要です。
無線なのか有線なのか、無線なら無線で電波か音声か光か、有線なら有線で音声か電圧パルスかなどです。
電波であれば周波数帯も合わせないといけませんし、電圧パルスであれば何VならONで何VならOFFかも決めなければなりません。
平文だけでなく暗号も使われるでしょうから、受信者が復号できるための情報も必要です。

人対人のコミュニケーションでも、確実に意思の疎通を行うためにはルールに正しく従う必要があります。
日本語によるコミュケーションであれば、誤字脱字がないのは当然として、正しい文法で複数の意味に解釈できないような正確な表現が必要になります。

伝達する内容によっては、日本語や英語などの自然言語より、数式をはじめとした数学的表現を使うほうが妥当です。
大学で習うような高度な数学ならともかく、義務教育で習う程度の数学ができないようであれば、それは明らかにコミュニケーション能力の欠如といえます。

コミュニケーションというのは、発信者から受信者に情報を伝達することです。
情報の伝達は正確かつ迅速に行われなければなりません。
それを実現する能力こそ、「コミュニケーション能力」なのです。

「空気を読む」とか「忖度する」とか、そういった不確実な方法には本来依存すべきではないのです。
通信に話を戻せば、それらは、通信が途絶したり、ノイズが多くて正確な情報が読み取れなかったりする状況で、それでも精一杯頑張ってミッションを継続するための異常系処理のようなものです。

もし、発信者が受信者に対して指揮命令を行う立場の場合を考えてみましょう。
上記のように本来のコミュニケーションが破たんして受信者が「空気を読ん」だり「忖度し」たりすることに任せるしかなくなったとすれば、そういう状況のことを「制御不能」というのです。

以上を踏まえた上で、「コミュニケーション能力がある」とか「コミュニケーション能力が高い」とは、一体どういうことを意図しているのでしょうか?
その意図が正確に伝わっていない時点で、そのような表現を使った人物の「コミュニケーション能力」を疑ったほうがよいのかもしれません。
もちろん、私自身の「コミュニケーション能力」が低いから伝わらない可能性も否定できませんが。

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