経験の中身

高木です。こんにちは。

技術者の能力をアピールするには、これまでにどんな経験を積んだのかを、経歴書とかスキルシートとか呼ばれる書面で表現するのが普通です。
こうしたことは、転職や派遣なんかでは、職種を問わず行われていることだと思います。

今回は、経歴書やスキル―シートに記載されている個々の経験の中身について考えてみることにします。

以前、「実力は経験年数に比例しない」という記事を書きました。
そこでも指摘したように、技術者の本当の実力を知るには、いっしょに仕事をするか、成果物を見る以外にはありません。

確かにスキルシートに記載された経験だけでは、実力を見極めるのは困難です。
しかし、まったく無意味かというそうでもありません。

安易な見方をすれば、どんな言語、どんな工程を何年経験したか程度を、個々の経験だけを見て読み取ることになります。
けれども、経験を正しく読み取るには、全体の流れからその技術者がどのような経験を積み重ね、どのような能力を築き上げていったかを推し量らなければなりません。

たとえば、プログラミング言語についていえば、字面上は別の言語であっても、類似性の高い言語どうしであればある程度経験年数を合算できるものがあります。
分かりやすい例でいえば、.NET言語であるC#とVisual Basicなんかがそうです。
歴史的な経緯を考えれば、DelphiやC++ Builderもその中に含めてもいいぐらいです。

一方で、字面上はよく似ていても、大きくかけ離れた言語もあります。
一番わかりやすいのはJavaとJavaScriptでしょうか?
CとC#もそうかもしれませんね。

また、応用分野に関してもその関連性を見極める必要があります。
言語等が異なっても、応用分野の類似性が高ければ、それらの経験は合算して考えるべきです。
逆に、言語がまったく同じであっても、応用分野がかけ離れていれば分離して考えるべきです。

これも具体例を挙げることにしましょう。
Linuxを使ったIoT機器の開発であれば、言語がCであれC++であれPythonであれJavaであれ、関連性のある経験とみなすことは可能です。
同じJavaの経験であっても、WebアプリケーションとEclipseプラグインとAndroidアプリの開発経験であれば分離して考えべきなのです。

そして一番大事なのは、これまでも経歴でどんな失敗を経験し、どんな成功を収めたかです。
順調に進んだ経験から学ぶことは大してありません。
しかしながら、成功体験はその人物の自信につながります。
どちらも欠かせないのです。

実際には、技術者から直接ヒアリングすることで、スキルシートから推測した経験内容と実際とのギャップを埋めることになるのでしょう。
その程度であれば、30分も話をすればある程度は判断がつきます。

求めるスキルに完全に合致する技術者なんか現実にはほぼいませんので、適当なところで手を打つことになるのだと思います。
その結果、それまでの経験では培われていないスキルが必要になることも多々あるのですが、それに対応できるかどうかを事前に読み取るのは困難でしょうね。

SESの営業の立場であれば、スキルシート上の経験を積ませることを重視するかもしれません。
確かにそれも大事です。
とくに経験が浅い技術者の場合には、何とかして箔をつけないことには単価交渉も難しいでしょうし。

けれども、技術者視点ではスキルシートの見方も営業とはかなり違ってくるのです。
大事なのは字面上の経験ではなく、その中身なのです。