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TablePress:猫でもできるWordPressのプラグイン選び18

株式会社クローバーフィールドの経営理念
著者:YOSHIDA Takayuki
公開日:2018/02/02
最終更新日:2018/02/02
カテゴリー:技術情報
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「TablePress」はその名の通り、WordPress上で表(テーブル)を作るのをサポートしてくれるプラグインです。HTMLで表を作るのはなかなか骨の折れる作業ですので、表組みの多いWebサイトでは活躍間違いなしのプラグインです。

Webにおいて、表は扱うのが難しい表現です。HTMLを学ぶときも、行、列、見出し、キャプション、テーブルヘッダー、テーブルボディ……と学習項目が多く、表のコーディングが苦手だと口にする初学者もたくさんいます。Dreamweaverなどのオーサリングツールがあれば比較的短時間で表を組むことができますが、そのためだけにアプリケーションを買うのも得策ではありません。

テーブルを組むのは難しいですが、その構造がしっかりとしており、ブラウザでの解釈もブレが少ないため、一時期はWebサイトのレイアウトに使われることもありました。いまでもテーブルレイアウトを採用したサイトが少なからず残っており、それを見つけるたびに何とも言えない懐かしい気持ちになります。

表の構造がしっかりとしていることで別のメリットも生まれています。HTMLのようなマークアップ言語は、文書の構造や意味をコンピューターに伝える手段のひとつですが、それなりにHTMLに習熟しない限り適切にマークアップするのは難しいです。一方、表はコーディングの経験によらず、ほぼ問題のない情報構造で仕上がります。これが原因かどうかはわかりませんが、検索エンジンは表で記述するコンテンツを高く評価している、ともいわれてます。

昨今、表の扱いを更に難しくする別の理由が増えました。いわゆる「レスポンシブデザイン」がそれにあたります。前述のように、表は構造がしっかりとしているので、画面サイズが変わったからといってそれに合わせて変形して表示する、というのが難しいのです。2列の表で、左側が見出しセル、右側がデータセル、くらいの単純なものであれば並べ替えてもなんとか意味を保持できるのですが、たとえば商品の機能比較表や、スポーツの対戦表などの場合は、本来表が持っている情報構造を崩さずにサイズを変えるのが非常に難しいです。多くの場合、テーブルの表示範囲を限定して、上下左右にスライドできる仕組みにするなどの対応をしますが、表示領域の狭い表は得られる情報量も少なく、表のメリットが大きくそがれてしまうため、決定的な解決策だとは到底思えません。

これはテーブルタグの問題でも、WordPressの問題でも、もちろんTablePressの問題でも無く、小さい画面でたくさんの情報を得るという矛盾した要求が引き起こす問題です。TablePressでは、表のレスポンシブ対応にまつわる機能を充実させようとする様子が見られます。おそらく根本的な解決が難しい問題に、今使える方法と道具を使ってなんとかしようと努力する姿は評価に値します。

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