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良いデザインと悪いデザイン4:猫でもできるグラフィックデザイン07

株式会社クローバーフィールドの経営理念
著者:YOSHIDA Takayuki
公開日:2018/03/24
最終更新日:2018/03/24
カテゴリー:技術情報
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引き続き「心地よいデザイン」について考えていきます。今回は「シンメトリー」についてです。シンメトリーは日本語で言うと「対称」です。シンメトリーなデザインは心地よく、美しく感じられます。対称は基準の違いによって「鏡像対称」と「回転対称」に分けることができます。

鏡像対称とは、難しく言うと「ある鏡像面に関する鏡像が元の図形と一致すること」をいいます。ちょっと何を言っているのかがわかりにくい説明ですが、平面では算数でも学んだ「線対称」のことをいいます。厳密にいえば、元の図形と鏡像とがすこしでも違うと鏡像対称ではないのですが、デザインを論じるうえではもう少しアバウトでも良いでしょう。たとえば、人間の体は正面から見ると、鼻と股間を通る直線に対して線対称です。しかし手の大きさが左右で微妙に違ったり、ほくろがあったりと、厳密な鏡像対称ではないです。しかし、これは鏡像対称として扱って良いです。

これくらいのゆるい基準で見ると、世の中のほとんどのものが鏡像対称となっていることがわかります。いま筆者の視野にはいるものでもノートパソコン、テーブル、テレビ、ラグ、ソファ、加湿空気清浄機、メガネなどなど、ほとんどが鏡像対称です。

みる角度によっては鏡像対称ではないものもありますが、すくなくとも「正面」は鏡像対称であることが多いです。また、デザインの詳細は鏡像対象とはいえなくとも、その外形は鏡像対称となっている場合も多いです。ほとんどが鏡像対称なので、逆に鏡像対称ではないものを部屋の中で探してみると、ギター、食器棚、PlayStation4、シーリングライト、デジタルカメラくらいしか見つかりませんでした。

もう一方の対称である「回転対称」は、ある一点を中心として回転すると元の形に戻る図形です。いわゆる「点対称」のことです。鏡像対称と同様、世の中にはたくさんの鏡像対称があります。もちろん、鏡像対称であり回転対称でもあるものもたくさんあります。先程と同様、部屋の中で点対称の要素をもったものを挙げてみると、アナログ時計、換気口、テーブル、皿などなどです。鏡像対称に比べると、正面からみたときに回転対称であるものはすくなく、ある角度から見たときにのみ回転対称となっている場合が多かったです。

デザインの中に対象の要素があったり、外形が対称であると、美しく、心地よく感じます。一方で、これだけ鏡像対称、回転対称が溢れている世の中で生活しているにも関わらず、デザインをするときには対称でなくなることがあるのは不思議です。これは、ほとんどの商品はきちんと経験を積んだデザイナーがデザインをしている証明なのかもしれません。

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