良いデザインと悪いデザイン7:猫でもできるグラフィックデザイン10

今回の心地よいデザインのキーワードは「整列」です。筆者としては、素人デザインからの脱却にはまずは整列から、とも思っています。画面上/紙面上のすべての要素は、他の要素とどこかで揃っているべきである、というのが主旨です。
PhotoshopやIllustratorなどのデザイン専用アプリケーションはもちろんですが、多くの方が使うWordやExcelのような定番アプリケーションでも「整列」の機能はついています。要素同士の位置を整列させるスナップの機能、要素の中のテキストの位置を指定する段落の体裁を指定する機能やインデントの機能などです。ただ、整列の指定をする前の文書をみても、それほど崩れているようには見えません。実は、これは標準状態で「左揃え」になっているからです。
このように現在のアプリケーションでは素の状態でもおおむね自動で整列してくれます。これは「見えない罫線」を基準に行われていることが多いので、デザインにおいて整列が重要だということがわかりにくいのかもしれません。時折、ExcelをWordのような文章作成ツールとして使う方がおられますが、これはWordの使い方がわからないのではなく、Excelの表機能を使うと要素の整列を思い通りにしやすいことが理由のようです。表は情報を整列して表示するためのものなので、デザインに使いたくなるのも理解できます。ホームページを作るための言語であるHTMLやCSSの黎明期には、テーブルタグを使ったデザインが流行ったこともありました。
現代のアプリケーションやHTML、CSSでは、整列の設定を簡単にすることができます。前述の「見えない罫線」から一歩進んで、自分で明確に縦横の罫線をつくり、それにそってデザインをしていく「グリッドデザイン(グリッドシステム)」という手法も広く使われるようになりました。
大抵のアプリケーションでは段落の体裁において左揃え、右揃え、中揃えに対応しています。これに加えて、Illustratorなどデザイン制作に特化したアプリケーションでは「左右両端揃え」などのより複雑な整列が可能です。また、要素の整列では画面や紙面に対して整列するのか、見えない罫線に対して整列するのか、あるいは要素同士で整列するのかなどの詳細な整列の指定が可能です。
一方で、整列を遵守しすぎるとビジネス文書的な固い印象になってしまうのも確かです。ポイントとなる要素で整列を崩したデザインをするのもありでしょう。他の要素がきちんと整列しているのであれば、誘目性や重要度が高いことを示すことができます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)