良いデザインと悪いデザイン12:猫でもできるグラフィックデザイン15

今回のデザインに関するキーワードは「らせん」と「うずまき」です。漢字ではそれぞれ、「螺旋」「渦巻」と書きます。「うずまき」は文字通り、渦を巻いた図形を指します。「らせん」のほうは少しややこしく、辞書的な意味としては大きく2つにわけられます。ひとつは「ねじれているもの」や「ネジ」を意味する言葉として。もうひとつは「回転しながら回転面に垂直な方向へ上昇する曲線」を指します。「らせん」と「うずまき」はいずれも、良いデザイン(≒心地よいデザイン)の要素として取り入れられています。

まずは「らせん」と「うずまき」の違いについて明確にしておきましょう。これは簡単に、そして直感的に理解する方法があります。机の上で人差し指をぐるぐると回転させてください。そのときの指の先端の描く軌跡が「うずまき」です。次に、その動きを維持したまま、指を机から離して上昇させていくと、指の先端が描く軌跡は「らせん」となります。らせんは、3次元の図形なのです。という説明をしたものの、日常生活ではうずまきをらせんと呼ぶこともしばしばあります。英語ではうずまきが「spiral」、らせんが「helix」なのですが、「スパイラル」の訳語として「らせん」としているものは少なくありません。

らせんやうずまきも、他の心地よいデザイン要素と同様、自然や生活の中で多く見られる図形です。うずまき、というだけあって、海や川の流れがぶつかるところや、溜めた水を底の穴から抜く時にできる図形がうずまきです。水面よりも上からみるとうずまきですが、横から見るとらせんである場合もあるでしょう。また、我々の住んでいる銀河や他の銀河もらせん(あるいはうずまき)の形になっています。

らせんの一番身近な例は貝殻です。巻き貝やカタツムリの殻はらせんを描きます。なお、由来はカタツムリに似ているから、だと思いますが、人間の耳の中には聴覚を司る感覚器官である「蝸牛」が存在します。植物でも螺旋の形はたくさんみられます。植物の葉や花びら、種の付け方は、正面をきちんと設定するとらせん状になっていることがあります。

自然の中でみられるらせんもうずまきも、黄金比のコラムで説明した「フィボナッチ数列」に基いているとされています。

フィボナッチ数列:1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89、144・・・

フィボナッチ数列の各数を一辺とする正方形を描き、その頂点に沿って曲線を描くとらせんが浮かび上がります。これは、正確には対数らせんの一種ですが、自然でみられるらせんはこれとほぼ同じ形をしています。植物がより効率よく葉を出したり、より多くの種をつける、あるいは動物がよりバランスの良い成長をしたり、生理反応を恙なく行う。このとき、フィボナッチ数列に基づくらせんやうずまきの形は非常に優れているようです。

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