良いデザインと悪いデザイン13:猫でもできるグラフィックデザイン16

今回のデザインに関するキーワードは「余白」です。余白はビジュアルデザインの基本中の基本です。余白について考えてみましょう。
余白とは「何も書き入れていない場所」のことです。デザインについて学んだことのない状態では、案外余白をうまく使うことができています。問題が起こりやすいのは、デザインについて少しだけ真剣に学びはじめた段階です。情報のまとまりや見せ方を意識したいのですが、画面上や紙面上の「何もない場所」に意味を見いだすことができず、余白のないデザインをしてしまいがちです。
余白の一番の役割は「情報のまとまりをつくる」ことです。情報はその格付けや内容によって、ひとまとめにしたりわけたりしなければいけません。ただしくまとめられた情報群は、ただ並べてあるものよりも理解しやすく、また意味が正しく伝わります。まとまりと余白について、簡単な例を挙げてみましょう。アルファベットの26文字を順に並べると
ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ
となります。これを
AEHIFKLMNTVWXYZ

BCDGJOPQRSU
とに分けました。この分類のルールを想像してみてください。それぞれ、「直線のみで書ける文字」と「曲線を含む文字」です。これらがグループであることを示すには「記号をつける」「見出しをつける」「線で囲む」などいくつかの方法がありますが、一番簡単なものは「余白をあける」ことです。先程の2つの情報群を
AEHIFKLMNTVWXYZBCDGJOPQRSU
この様に書いてしまうだけで、情報のまとまりはひとつであると認識され、前述のルールを見出すことができなくなります。半角スペースを開けて
AEHIFKLMNTVWXYZ BCDGJOPQRSU
とするだけで、ただの文字列に情報を含むことができるのです。さらに、余白の程度について考えてみましょう。さきほどの半角スペースを維持したまま、次のように改変するとどうでしょうか。
A E H I F K L M N T V W X Y Z B C D G J O P Q R S U
各文字間に、情報群間と同じように半角スペースを入れました。余白はありますが、連続して書いたのと同じように、そこに含まれている情報が失われています。
上記は極端な例のように思えますが、身の回りには似たようなデザインの印刷物やユーザーインターフェースが溢れています。デザインをするときには、情報のまとまりをしっかりと考え、余白の量をコントロールする必要があります。

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