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デザインの練習(テレビのリモコン3):猫でもできるグラフィックデザイン31

株式会社クローバーフィールドの経営理念
著者:YOSHIDA Takayuki
公開日:2018/04/18
最終更新日:2018/04/25
カテゴリー:技術情報
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テレビのリモコンについて考えています。実は、テレビのリモコンは物理的なスイッチとユーザーインターフェースとを兼ねているため、現在のようなボタンをたくさん並べたデザインになっています。ユーザーインターフェースの視覚的な部分をテレビ側に移すことができれば、リモコンはもっとシンプルにすることができます。

前回、テレビ本体のボタン類を参考に、簡易リモコンは「電源ボタン」「音量ボタン(大/小)」「機能切替ボタン」の4種類のボタンだけで成立する、ということを紹介しました。これとほぼ同じ数のボタンで、より複雑な操作を実現しているものがあります。

ひとつはスマートフォンです。現在では、電源ボタンを除くと2個から3個のボタンと、ひとつのタッチパネルですべての操作を行うことができます。また、パソコンも同様に、電源ボタンと、マウスの2ボタンだけであらゆる操作を行うことができます。ただ、これを使いこなすにはユーザー側の経験がある程度必要です。特にスマホのフリックやスワイプのような特殊な操作は、直感的に誰でもできるというものではないでしょう。

テレビとほぼ同じ操作が必要であるにも関わらず、テレビのリモコンほどボタン数に頼っていないのが「Apple TV」のリモコンです。初代Apple TVのリモコンはすごくシンプルなデザインで、見た目にはボタンが3つあるようにしか見えません。実際は、上下左右の4ボタンと、メニューボタン、再生/一時停止ボタンの6つのボタンを搭載しています。

たとえば「ドラえもん」の番組を観たい場合に、テレビとApple TVで操作がどのように違うのか見てみましょう。前提として、テレビでは電源がついている状態から、Apple TVではApple TVのトップ画面が表示されている状態からの操作です。

テレビでは、「テレビ朝日系列が設定してあるチャンネルのボタンを押す」だけで観ることができるでしょう。一方、Apple TVでは「上下左右ボタンで『Amazon Prime Video』を指定→決定→上下左右ボタンで『テレビ番組ジャンル一覧』の『キッズ・ファミリーTV』を指定→決定→上下左右ボタンでドラえもんを指定→決定→上下左右ボタンで放送回を指定→決定」という流れでようやく観ることができます。

「Amazon Prime Video」でも、一度見た番組は「視聴中」のリストに入るので、もう少し手数は減らすことができますが、この時点で「どちらが簡単か」といえば圧倒的にテレビのほうが簡単でしょう。この比較だけではApple TVが非常に面倒な道具に見えますが、実際には多くのユーザーに利用されています。これは何故でしょうか。

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