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儲からない案件

著者:高木信尚
公開日:2019/07/09
最終更新日:2019/07/09
カテゴリー:雑記

高木です。こんばんは。

先日最終回を迎えた『わたし、定時で帰ります。』をプロが読み解くという触れ込みで、「日本人が”定時で帰らない”本当の理由とは」という記事がプレジデントに掲載されていました。
その中に「儲からない案件」という表現があったので、それにヒントを得て今回は書いてみたいと思います。

まずはもとになった文章を引用することにしましょう。

部長の福永清次(ユースケ・サンタマリア)は、業績をあげるために、根回しを使い、儲からない案件でも受注してくる。そうやって業績をあげてきたのであり、そういう仕事の仕方が福永流である。

これ自体はドラマの中の話なので、まあいいんです。
これからお話する私が受注してくる「儲からない案件」はちょっと違います。

実は、私はかなり前からとんでもなく安い案件を受注してくることがありました。
それは現在でも続いています。
とんでもなく安いので、当然それで儲かることなんかありません。

具体的にどんな案件かというと、片手間ですぐにできてしまうような小さな案件で、決して急ぎではなく、自分の裁量が最大限に発揮できるものです。
納期には十分な余裕をもらいますので、実務ではじめて扱うような開発環境でも積極的に導入しています。
いろいろ試してみて、いよいよやばくなれば、そのときは慣れた開発環境でサクッと片付けてしまうこともできます。

決して儲からないので、多くの場合は自分で対応してしまいます。
ヒアリングから、見積もり、開発、請求まで全部自分でやることがほとんどです。

ただ、最近は新人に経験を積ませるためにそういった案件を利用するようになってきました。
納期は十分長いですし、小さな案件なので、最初から最後までの全プロセスを経験させるにはちょうどいいんです。
そして、本当にやばくなれば自分でやってしまうこともできますしね。
いったん任せた以上は担当者に最後までやりきってもらえるように、最大限の努力は払いますけど。

もともと、私が自分でやれば1~2時間程度で作れてしまうような本当に小さな案件です。
それに対して数週間の開発期間を与えるのですから、新人でもどうにかなるでしょう。

採算だけを考えれば大赤字です。
だって、「儲からない案件」なんですから。

それでもいいんです。
大勢の中のひとりではなく、自分だけで最初から最後までやりきる経験を積むにはちょうどいいですし、有意義な投資だと思います。
「儲からない案件」で実力を付けてから儲けてくれればそれでいいんです。

あと、もうひとつ。
そういう小さな案件は、お客さんとの距離が非常に近い形で仕事ができます。
自分で頑張って作ったソフトウェアでお客さんが喜んでくれるのを実感するのは、何物にも代えがたい経験となります。

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