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デザインの練習(ATMのデザイン3):猫でもできるグラフィックデザイン46

株式会社クローバーフィールドの経営理念
著者:YOSHIDA Takayuki
公開日:2018/05/04
最終更新日:2018/05/04
カテゴリー:技術情報
タグ:

ATMのデザインや仕組みについての考察3回目です。ATMは現金を預け入れ/引き出しする機械ですので、利用者が便利に使える以上に、安心して使えるようにしなければいけません。ATMの防犯の工夫についてみていきます。

ATM以前、CD(キャッシュディスペンサー)が登場した時、多くの方が「本当に大丈夫なのか」を疑問に思ったのではないでしょうか。まずは自分がキャッシュディスペンサーをつつがなく使えるかを心配し、次に自分の口座がきちんと維持管理されているかを心配したでしょう。慣れてくると、思ったよりも簡単に使えることがわかるため、今度は自分以外が引き出しを行うことはないのかを心配したはずです。

これらの不安を解消しない限りは、キャッシュディスペンサーやATMが多くの方に利用してもらえることはないでしょう。現金を機械とやり取りするという点においては自動販売機なども同じことがいえますが、扱う金額の大小や、利用者側のリスクを考えると、自動販売機よりもきちんと防犯対策をしなければいけないのは明確です。

一番わかりやすい対策は「防犯カメラ」の設置です。ATMが設置してある場所には必ずと行っていいほど防犯カメラが設置してあります。また、ATM本体にも利用者が気づかない位置に防犯カメラが設置されており、取引毎に利用者の顔を撮影しています。誰かからみられている、あるいは録画されているというだけで、大半の人に悪事を諦めさせる効果があります。

「暗証番号」もセキュリティの点では必須といえる仕組みです。現在は静脈認証などの仕組みも導入されていますが、並行して暗証番号の入力も行われています。4桁や6桁の数字を使った暗証番号の実質的な安全性については別のコラムに譲りますが、キャッシュカード(ID)と暗証番号(パスワード)を同時に使えるのは本人だけである、という前提はセキュリティの基本です。一時期、ATM上に無許可に設置したカードリーダーとカメラを使って、カードの情報とパスワードを盗むという犯罪がありましたが、現在多くのところで利用されている仕組みの根本を揺るがす極めて悪質な方法です。

ATM自体を設置する場所についても、防犯のについて考慮する必要があります。誰もいない場所のほうが安心してATMを操作できるように思いますが、コンビニの中や駅など常に人がいる状況を逆手に取り、通行人やコンビニ利用者を監視者として安全を担保することができます。ATMを立ち寄りやすい場所に設置する、という別の目的も果たすことができ、一石二鳥です。

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